1,
旅に出ている家族(一緒に居られない家族)が危険な目に遭ったり食事に困る事なく無事に帰ってこられるようにと案じ食事を準備しました。
また、戦時中は、戦地に赴いた家族の安全を願って、陰膳を準備しました。
2, 浄土真宗以外の宗派では、四十九日間に渡って旅をした末に浄土(あの世)に行き着くと考えられています。
ご遺族は、「故人が何事もなく浄土へ到着するように」と祈りを込めて道中、食に困る事のないように陰膳を準備します。
また、一周忌法要・三回忌、後などのお斉(とき)・会食で、故人の為に陰膳を準備する事もあります。この場合は、故人と一緒に食事を楽しむという意味が込められています。会食の席が飲食店だった場合、故人用のメニューを特別に注文する事が多いようです。
現代は遠い場所の人とも簡単に連絡を取り合える為、2の故人用の食事という意味合いが強くなっていると考えられます。
陰膳で使用する食器の事を「霊具膳(れいぐぜん・りょうぐぜん)「供養膳(くようぜん)」「仏膳椀(ぶつぜんわん)」と呼び名が多いですが、料理を盛る為の仏具の事です。
毎日のお勤めに使用する仏飯器や茶湯器とは別に、大切な法要のお供えとして霊具膳を用意します。
・親碗(おやわん):ご飯用の食器。膳の前・左に置く。
・汁椀(しるわん);汁物用の食器。膳の前・右に置く。
・高坏(たかつき):漬物用の食器。膳の中央に置く。
・平椀(ひらわん):煮物・和え物用の食器。膳の奥・左に置く。
・壺椀(つぼわん):煮豆・和え物用の食器。膳の奥・右に置く。
・箸(はし):膳の最前に置く。
※故人の為に用意する陰膳は仏壇や位牌など、故人を象徴するものに向けて置くのが基本となりますので、箸が奥になるように置きますので、自分の位置からみると逆になります。
もともとは禅宗の僧が中国で仏教を学んだ際に習得した料理を日本に伝えたとされています。生き物に優劣はないという教えから、「殺生(せっしょう)」生き物を殺すことを避け、牛肉・豚肉・鶏肉をはじめ、魚や卵などの動物性の食材を使う事はありません。また、「五葷(ごくん)」と呼ばれる臭いの強い植物(ニンニク・ネギ・ニラ・らっきょう・浅葱)には強壮作用がある事から、煩悩を刺激して修行の妨げになるとの理由で使う事が禁じられていますので、陰膳にも避けた方が良いとされています。
また、残った陰膳は「お下がり」と呼び、家族が食べます。法要・会食の場合、ご自身の料理を食べきれない事もあるかと思いますが、そんな場合でも一口でも構いませんので、何も手を付けない事だけは避けたいです。もし可能であれば持ち帰りにしましょう。
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